先日、リフレッシュ休暇を取りまして、家族でグアムに行ってきました。レンタカーを借りて観光をしていたのですが、信号待ちをしているときになんだか「ああ、日本の働き方改革が進まないのってこういうトコだよなぁ」とふと思ってしまいました。
この記事の内容
グアムの交差点の曲がりかた
アメリカがそうなのかグアムがそうなのかはわかんないのですが、グアムって交差点で直進が赤でも右折はしていいんです。歩行者は進行方向が青なのでどんどん渡ってきますよね。だから運転者にも歩行者にも自主的な判断が求められるのですよね。
日本だったら、誰かが事故った時点でそんな制度なくしてしまえとなりそうじゃないですか?でもこっちでは事故も多少はあるけど、それはそいつらの責任だからなーという感じでした。(レンタカー屋さんのおっちゃんとホテルのすんごいラフなコンシェルジュとの雑談程度なのでそれが常識かどうかは審議)
危なくないと判断すれば曲がるの自由だし、はやく交差点を通過できるから時間のメリットを得られる。でもそこで事故ったらそいつの責任ですよと。自由と責任のバランスですね。より大きな自由を与えられる分、そこには自己責任の分が増える。
日本は信号が赤だと曲がれないという制限を設けられることで、自由を制限される分、責任を負う必要がなくなります。信号という仕組みにリスクを転嫁しているんです。
大げさな話になってしまいました。そして的外れなのかもしれないんですけど、まぁそれはキッカケです。なんでそれが働き方改革が進まない理由になるかというと…
働き方改革と現状
働き方改革の目指すべき姿
働き方改革の目指すべき姿ってワークライフバランスです。仕事もプライベートも充実させよう。そのために働き方を見直そうと。いままで当然だったと思っていたムダな事務作業な社内会議。同じ事務所に出勤して退勤するという働く場所の見直し。みんな同じ時間に出勤退勤が必要なのか…そういうのを見直すことで、それぞれに合った働き方を探し出す。業務を効率化し、プライベートにふれる時間を増やそう。そして来るべき超少子高齢化、働き手不足に備えようというものです。
目指すべき姿と現実の働く人たちの認識のズレ
ただし、残念ながら働く人たちの感覚では、ただ残業を減らせと言われ、仕組みそのものを見直していない。残業できないから朝早く行く。朝の出勤分は残業にならないケースが多いのでブラック化が加速し、会社への不平不満がたまっていくという、絵にかいたような負のスパイラルがスタートしています。
こないだテレビであなたの会社の働き方改革みたいなアンケートやってたのを見ましたが、似たような回答をしている人が多く目につきましたし、実際いろんな会社の総務の方と話す機会が多いのですが、似たような悩みを抱えられています。
日本の会社の悪しき評価基準
日本の会社って、同じ10の成果を出したとしても、そこにメチャメチャ苦労して、時間をかけてバタバタと忙しそうにしている人が評価されませんか?だいぶましになってきたとは思いますが、まだその傾向ありますよね。残業時間多いヤツが頑張っている。定時に帰るヤツは余力を残しているな。ケシカランみたいな謎の勢力。アホみたいですが一部の会社や部署ではマジで残っています。なのでこんな残業したぜみたいなブラック自慢合戦がまだまだあります。笑い話としてはいいんですけど正直ウルセェですよねそんなこと言われても。
過労死という言葉は海外にはない
…ということを池上さんの番組で紹介されていました。働き方改革の目指すべき姿として欧米のスタイルをモデルケースにしてという内容でした。(先述のアンケートも同番組内のものです。)具体的にはどのように働くかは働く人が決める。成果で評価する。出勤時間も退勤時間も自分で決める。規定の残業時間を減らした分は会社が買い取ってくれる?だったかな?みたいなもの。
自由とそれに伴う責任との付き合い方
ようは自分の成果に責任を持つので働き方は自由だと。
これを日本も目指しているものの、旗振れど踊らず。なぜかと言うとそういう教育を受けてないし、日本の社会そのものが自由を制限して責任を回避するように出来上がってるからです。
ホントに小さい時から、責任をみんなで分担しようね。誰が悪いとか言うのやめようねという社会で育ってきて、いきなり社会人になってさぁ自己責任だ。好きに働きなさいと言われても文化として根付いていないのに急には無理だし、やらせている方もなんだか違和感の中でやらせてるんで、ハラオチしないまま、ゴールが見えないまま進んでるんじゃないかと思うわけです。
これを是正していくには本当に小さなことの積み重ねが進んで社会の中でそういう文化が醸成されて行かないとキッツいっすよねと感じました。
右折がどうのこうのという話はホントに小さなことですが、そういう些細なことを小さいことから積み重ねていくことで、大きな差になって表れていくんだと思います。
日本のサッカー選手が海外で活躍できない、日本代表がイマイチ勝てないのも原因はこれにあると確信しています。外国人監督がまずイラだつのはこういうところですよね。
さいごに
じゃあ無理だからあきらめようという話ではなく、そういう状態を正しく認識して進めていかないと、先に紹介したように会社と働く人のズレがどんどん大きくなっていってどんどん不幸な人が量産されて行ってしまいます。みんなで幸せになろうと始めた改革なのに。
個人的には働き方改革が進むことは大変ウェルカムですし、なんとか一過性のブームになることなく進んで行ってほしいと願っています。
少子高齢化は進みますが、重いフタとなっていた頭のカタイ世代がどんどん定年もしくは変化についていけず脱落していくはずなので、柔軟にいいものは取り入れつつ、みんながハッピーになる世界を目指しましょう。
そう遠くない未来に、交通ルールが変わる日が来れば、それは働き方改革が成就した日なのかもしれません。