最近はチップセットの進化やドライバーに使用する素材の改善が進み、1万円くらいまでの価格帯のイヤホンの音質は格段に良くなりました。
「外れ」のイヤホンが少なくなってきた一方で、音質で差をつけるのが少し難しい時代になってきた感があります。
今回提供いただいたZIP20は、音質もさることながら、「触感」に訴えかける、所有することによる満足感を上げてくれるワイヤレスイヤホンです。
このアイテムのここがGOOD
- 所有欲を満たすケースの質感
- 力強い低音を中心にうまくまとまった音質
- 軽い装着感
- テレワーク向きでクリアな通話
このアイテムのここが残念
- ノイズキャンセリングは非搭載
- ワイヤレス充電非対応
- 中~高音域がやや潰れる
こちらの記事は商品の提供を受けて執筆しています。
ZIP20は現在Green Fundingで支援を募っています。
参考 聴覚と「触覚」を刺激する大人のワイヤレスイヤホン【ZIP20】GREEN FUNDING
この記事の内容
所有欲を刺激する大人のイヤホン「ZIP20」レビュー
今回ご提供いただいたのはYOBYOBOというメーカーの「ZIP20」という完全ワイヤレスイヤホンです。
YOBYOBOはあまり聞いたことが無いかもしれませんが、少し前に話題になった、財布に入るくらい薄いイヤホン「CARD20」を作っているメーカーです。音質を中心に語られることの多いイヤホン業界に、独創的な視点から新しいアイテムを投入しています。
詳細スペック
最大持続時間はイヤホン単体で6.5時間、充電ケースも込みだと33時間。イヤホンのバッテリーライフが劇的に改善された昨今だと、特筆すべきではない数字ではないですが、実用上は不満なく使えそうです。
対応コーデックはSBCとAAC、apt-Xに対応しています。ios機器でもアンドロイドデバイスでも、低遅延で音質の高い音楽を楽しめます。
防水性能はIPX4。飛沫程度は大丈夫なので、多少雨が降っても平気。スポーツも含め、普段使い程度なら問題ないですね。
開封・同梱物チェック
外箱をスライドして空けていきます。
同梱物はシンプル。充電用のType-A to Cケーブルと説明書、交換用イヤーピースが3セット(本体装着済みのものと合わせると4セット)です。
説明書は中国語と英語のみ。書いてあることはわかると思うので、特に操作に困ることは無いと思いますが、できれば日本語のマニュアルも欲しかった。
マニュアルの表紙にQRコードが記載されていたので、ここから各言語のマニュアルに飛べるのかと思いましたが、ZIP20についてはまだ準備中のようで、マニュアルそのものがありませんでした。
正式発売までにはこの辺りも整理されてるとうれしい。
ジッポーライターモチーフ。質感の高いケース
このイヤホンの特徴が充電ケースの質感。ZIP20という名称の通りジッポーライターがモチーフになっています。
亜鉛合金を加工し、全体的にはマットな高級感のある仕上げ。ケース開閉部のエッジ部分だけ鏡面仕上げのようにキラっと光る加工施されています。
色はモダンブラックとダークグレーの2色。今回ご提供いただいたのはダークグレーでしたが、ブラックも引き締まった深い黒でかっこいい。
金属製のひんやりとした手触りも最高なんですが、この蓋を開閉した感触がまたいいんですよね。樹脂製では出せない、カチンという乾いた甲高い音は金属ケースならでは。
ハンドスピナーをクルクルするように、意味もなくカチカチと手の中で遊びたくなってしまいます。
さらにこだわっているのがヒンジの部分。
どこから見ても表側に可動部分が見えないように、特殊な工法を採用。
こういう細かいデザインに徹底的にこだわってるのであれば。表のYOBYOBOのロゴはいらなかったのでは… まぁいいか…
充電状態を表示するインジケーターが表に一つあります。
重さは実測で71g。このサイズにしてはかなり重たい方ですが、この重量がケースの質感に説得力を持たせてくれているようで、悪いフィーリングではありません。
手で握ったときのサイズ感がよくて、無意味にポケットの中で弄んでしまいます。
充電端子はUSB-C。欲を言えばワイヤレス充電にも対応してほしかった。
軽くて装着感のいいイヤホン
イヤホン本体の端子部分には保護シールが貼られていました。細かいところですが、こういう気配りは好印象です。
この部分がタッチセンサーになっていて、各種操作はこちらで行います。タッチセンサー式は、割とタッチをミスることが多いんですけど、このイヤホンはセンサーがちょうどいい場所にあるのか、ミスが少なく感度も良好でした。
本体は金属製では無く樹脂でできています。これは装着感の軽さを優先したためで、片方の重さは約4グラムと、かなり軽量。
樹脂製ですが、金属ライクな塗装の質感は高く、このタッチセンサー部分のデザインもアクセントになっていてかなりクールな印象です。
このセンサー部分に青と赤のインジケーターがあり、接続状況やバッテリー状態を確認することができます。
CARD20もそうでしたが薄くて装着感の良いイヤホンを作ることにはとても定評のあるメーカーだと感じました。
実際に装着してみたのがこちら。
正面から見るとほとんど本体が見えないほど耳にフィットしています。
装着感もかなり軽く長時間着けていても全く疲れを感じません。テレワークや在宅ワークで長時間装着していることの多い人でも快適に使い続けられると思います。
IPX4レベルの防水性能があるので、ランニングなどのスポーツシーンで汗をかくような状況でもあまり気にすることなく使えます。
音質は良好|力強い低音が魅力
10mmと言う、完全ワイヤレスイヤホンにしてはかなり大型のドライバーを採用しているため、音楽の表現力にかなり深みを持たせることができます。PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)とPU(ポリウレタン)の2つ素材を組み合わせたもので、深みのある低音と、クリアな高音域の両方を確保しようとしてます。
音質傾向としては、狙い通り、力強い低音が特徴的です。バスドラムやベース等の低音がしっかりと音楽を下支えしています。
中音域から高温域にかけてもクリアな印象でボーカルもすっきりと聞こえてきます。
あえて言うと高音域がやや潰れてしまっている感じがします。ほんのわずかではありますが。
コーデックはAACとaptXの両方に対応しているので、iOS機器やアンドロイド端末の両方で、高音質の音楽を楽しむことができます。
テレワークで力を発揮する「EMCノイズキャンセリング」
ZIP20はチップセットにクアルコムのQCC3040採用しています。QCC3040の基本仕様として、「クリアボイスキャプチャー8.0」というクリアな会話が可能となる機能がありますが、それとは別に「EMCノイズキャンセリング」という機能も搭載しています。
アクティブノイズキャンセリング
外から聞こえる雑音をマイクで集音し、逆位相の波をぶつけることで打ち消す仕組み
パッシブノイズキャンセリング
イヤホン本体と耳との隙間を塞ぐことで物理的に音の侵入を防ぐ。要はただの耳栓
ENCノイズキャンセリング
こちらの発話時に取り込んだ音から、声以外の雑音を取り除いて相手に届ける仕組み。こちら側では特に変化は感じられない
EMCノイズキャンセリングの効果で、少し騒がしいような場所での会話も、相手側にこちらのクリアな音声を届けることが可能になります。
一般的に想像するノイズキャンセリングはANC(アクティブノイズキャンセリング)と呼ばれるもので、外音の雑音がマイクで取り込み範囲その音をぶつけることで雑音を相殺します。
ENCノイズキャンセリングは、声を発する側なので効き目を実感することがなかなかありませんが、以前だと周囲が騒がしくて声が聞こえにくいと言われていたカフェでオンラインミーティングをしてみたところ、今回はそのようなことを言われなかったので、効果はあるんじゃないかと思いました。
さいごに
こんな感じで、所有欲をビンビン刺激する完全ワイヤレスイヤホン「ZIP 20」を紹介してみました。
音質ではなく、本体の質感で勝負するという新しい切り口のイヤホンです。ケースの仕上がりは抜群。意味もなくカチカチと開閉を繰り返してみたり、手の中でカチャカチャと弄ってニヤッとするのが正解ではないだろうか。
音質としても、低音が元気で聴き疲れしないようなバランスのいい音質でした。つけ心地も軽くて、テレワークにも最適。
音質、デザインが高レベルで融合したおすすめイヤホンです。
本アイテムは2021/3/15まではGREEN FUNDINGで支援することができます。