子育てサラリーマンまとん(@mstokwky)です。
今更ながらですが、お気に入りのブログであるmonographが書籍になりました。
ブログのレビュー記事なのにエッセイみたい。読んでて気持ちいいので、本にしたらいいのになと思ってたらホントに書籍化。
文体がモノ紹介ブログというよりもはやエッセイ。
松浦弥太郎さんのニオイを感じます。模倣というよりは読み込んで自分の中で吸収して、噛み砕いて自分なりにまた形にしているような。
うまく言えませんが、あの空気感を自分のモノにしていてとても読みやすい。この文才うらやましすぎ。
ちょっとキンドル版が出るまで待とうかと思ったんですが、待ち切れず購入してしまいました。
Kindle版まで待てずに買ってしまった。
酒の肴にピッタリですよね。#モノマリスト本 #磯波水産 pic.twitter.com/U71pt7nBNg
— まとん@仮面ブロガー (@mstokwsky) March 23, 2018
単なるモノの紹介にとどまらず、そこからさらに深掘りしたライフスタイルの提案。そしてまたそれが「ときめくモノ」を集める源になっていくという無限ループ。
とてもいいことが書いてあって、せひたくさんの人に読んでもらいたいので、小学校卒業以来、20年ぶりに読書感想文を書いてみました。
※以下、本文の引用は書籍ではなくブログからさせていただきました
人生を変えるモノ選びのルール: 思考と暮らしをシンプルに
改めてですが、大人気ブログの「monograph」を書籍化。
ブログ読者の方々には書いてある内容そのものは目にしたことがあるとは思いますが、再構成して順序立てることによって、筆者のモノに対する考え方・ルールと、それがどう生活を変えていくのかが、とてもわかりやすく整理されています。
その中でも、特に響いたのがこの2つの章。
- 「モノマリスト」という考え方
- 「背伸び」をさせるのが私の仕事
「モノマリスト」という考え方 ミニマリストではなくモノマリスト
この本を読んで、一番スッキリしたのがこの「モノマリスト」という考え方。
「ミニマリスト」というライフスタイルが一般的にも認知され始めてきて、ぼくもそういう考え方にはすくなからず共感していました。
ただ、極限までモノを減らすという考え方は共感できる反面、「もっと楽しいものが欲しい」「便利なモノは無いか」「こだわりのモノがほしい」という気持ちをものすごく抑圧しないといけない気がして、なかなか本格的に実践出来ずにいました。
また、がらんどうの部屋の中に、寝具とスーツケース。服は決まりの数パターン。
…というのがお決まりのミニマリスト的ライフスタイルですが、少しやりすぎではないかなと。
モノが少ないこと、人間関係を限界まで制限していることそのものを競い合うような人たちも中にはいて、それって本当にミニマリストというライフスタイルが目指すものなのかなと。
なんか方向は同じなんですけど、ちょっと違うなと思っていたところ、スッキリとはらおちしたのが「モノマリスト」という言葉。
僕は、自分自身が持っている一つひとつのモノときちんと真剣に向き合い、常に愛情を注ぐことができるのならば周りに置くモノの数に制限を設ける必要はないと思います。ただし、その愛情の総量に限界があるのもまた事実。きちんと自身が管理できるモノの量を見極めながら、取捨選択を常に繰り返しながら、周りにモノを集めていきましょう。
このように一つひとつのモノと真剣に向き合い愛情を注ぎながら、こだわりのモノ、ときめくモノを周りに集めていく人達のことをなんと呼ぶのか僕はずっと考えていました。モノを減らす意味合いの強い「ミニマリスト」とも少し違うし、モノをただ集める「コレクター」とも違う。自分にとって必要な、厳選されたときめくモノだけを周りに置く人々。僕はこの人達を「ミニマリスト」の一つの派生系で「モノマリスト」と呼んでみようかなと思います。「モノ」を基軸に「生活」を考え、こだわりを持って愛情を注いでいる人。
余計なものはもたない。でも自分が厳選してこだわり抜いたお気に入りのものに囲まれる暮らし。
ああ、これこれ。これが言いたかったんだよ。と、最近目にしたどんな言葉よりもスッと自分の中に入ってきました。
ぼくがずっと持っていて、でも言語化できなかった違和感の答えをもらえたように感じました。
モノを入れ替える基準。新たに迎え入れる基準が自分の中でできたことで、持ち物も家の中も心なしかスッキリしてきました。いままでいかに適当にモノを買っていたのかと思い知らされましたね。
難しいのは直観と厳選のバランスですが、それもモノ選びの楽しみだと思えるようになってきました。
「背伸び」をさせるのが私の仕事
僕の仕事を概念的に捉えるのであれば、この感覚が非常に近しいと感じています。良いモノを見つけてきて、そのストーリーを語り、読者に多少値段が高くても納得してもらう。読者に「背伸び」をさせ「背中を押す」のが僕の仕事なんじゃないか、と最近は良く思います。
これも自分のなかでフワッとしていた考えを言語化してくれて、グッと具体的なイメージにしてくれました。
ぼくの本業は不動産サービスを提供すること。日々の運営の責任者ですが、時には新規顧客に営業に行くこともあります。
この業界は(ほかの業界もそうかもしれませんが)とにかくこの建物の管理コストは抑えて、最低限だけ出来ていればいい。だからクオリティはそこまで求めず、1円でも安いところに発注するという考えが蔓延していました。
当然、こちら側としてはやり方の見直しや新技術の導入、AIやIOTを使って効率化を… など工夫に工夫を重ねるのですが、どうしても人件費にしわ寄せがいき、疲弊していきます。
コストをかけられないから、少ない人数でやりくりする。そうなると教育に割ける時間も減るし、1案件に対してかけられる手間や時間もどうしても少なくなります。
そうなると業務のクオリティもさがり、こちらの評判も下がる。預かってる物件の評価も下がる。結果、クライアントの収益も下がります。
そして品質が悪いので会社を切り替えようとしても、コストだけをみていると、もっと安いところじゃないと発注できなくなってしまう。
無茶な入札を経て、新しい先を選んでも、結局は品質が伴わず… 以下ループ
こういった流れに歯止めが掛けられなかったのがこの10年でした。
安いモノばかりを買い手が求めてしまうと、製品にかけられるコストが安くなり、結果的に良いモノを作ることが難しくなってしまいます。そうなると良いモノに触れる機会が減り、良いモノは嗜好品になり本当に一部の裕福な人だけが楽しめる存在になってしまう。作り手のためにも僕達のような「語り手」がモノの良さを伝え、沢山の人にモノを買わせなければいけないのです。
これまでは「安い」ことが最大の価値だったんですが、ここ1~2年、ようやく潮目が変わってきました。
そういった先が無茶をして運営していた物件から、いろんなところでアラが目立つようになり、多少コストが増えても、適切なサービスを提供してくれるところへと切り替えてもらえる案件が増えてきました。社会人になって、初めてかもしれないコストアップするけど品質を求めての切り替えの流れ。
このタイミングでぼくたちに必要なのはまさに「背伸び」をしてもらえるように働きかけること。
そして「背伸び」をしてもらえるに値するサービスを提供し続けられるよう、自分を見直すこと。
自分の周りの人たちにも「背伸び」をしてもらって、またその人たちが周りの人たちを「背伸び」させる。そんな連鎖ができると素敵です。
いい仕事には適正な対価を
形があるようでないサービスを提供する方々。クリエイターやメディア運営をされている方々。
ぼくたちの業界もそうですが、形として目に見えにくい価値を提供していく立場は、価値を安く見られがち。
例えばロゴ作成なんてパッとできるでしょ?とか、パンフレットデザインも無料でついでにやってくれるところ探してよ。とか。
実際に作業にあてている時間にすれば、もしかしたら短い時間なのかもしれません。実際に作る人のスキルが高ければ、その作業自体は簡単なのかもしれません。しかしそのスキルを身に着けるまでに費やした努力にかけた費用や、勉強した時間もあることを忘れてはいけません。
メッシに対して、運動量が少なくて簡単にゴールが奪えるんだから、給料安くていいよねっていう人なんて誰もいないですよね。
質のいい仕事には適正な対価を。商品を提供する側と受ける側双方が納得して幸せになれることを目指したいものです。
さいごに
なにか本筋と離れた気がしますが、20何年振りの読書感想文はいかがだったでしょうか。
ぼくとしては、なんだか自分がモヤモヤふわふわと考えていたことをシンプルに整理してくれてスッキリさせてもらいました。
紹介されているモノの良さもそうなんですが、それと同時に自分がそういったものに出会えるようになるために、こんな風に毎日を過ごせばいいんだという気づきがもらえたように思います。
改めて、いろんな人に一度は読んでもらいたいなと思いました。これさえ読めば、今日からあなたもモノマリスト。
ぼくがブログを始めたきっかけの一つは、monographとDRESS CODE。とはいえ、大好きなブログではありましたが、直接なにかあったわけではありません。
なんかおもしろい趣味ないかな、ブログでもやってみようかなと思ってたところ、名古屋の歩道橋でカメラを構えて走り回っているのmonographの堀口さんとDRESS CODEの平岡さんのお二人を見かけて声をかけさせてもらいました。
不思議なもので、わりと人見知りなので普段そんなこと絶対にしないんですけど、なんかフラッと。
特になにかお話ししたということではないですが、これもいいきっかけだなと踏ん切りがついてブログを始めようと決めました。
細く長く、しばらく続けていける趣味となりそう。ありがとうございます。
P.S ブログ読者としては1人称が「私」なのがムズムズしました。
#モノマリスト本 をお洒落に撮るのが流行ってるらしいからやってみた。
というか一人称「私」なの読んでて違和感!リアルでは「おいどん」って言ってるよ彼。 pic.twitter.com/mZKOXclUWV— 平岡 雄太 / DRESS CODE. (@yuta_black) March 16, 2018