ベルギー相手に一時は2-0とリードし、初めてのベスト8にものすごく大きな夢を見させてもらったものの、大逆襲からの2-3で敗戦。
日本はベスト16で大会をさることになりました。
全開ベスト16に進んだのは2回。
最初は2002年の日韓大会。その次は2010年の南アフリカ大会。
両大会ともにグループリーグで力を使い果たし、決勝トーナメントはギフトだというくらいの扱いでした。
判断の是非はわかれますが、今回はポーランドで主力6人を休ませ、史上初めてベスト8に現実的にチャレンジした特筆すべき大会でした。
結果は1勝3敗1分け ベスト16
ベスト16には進みましたが、結果を冷静に見ると買ったのは10人になったコロンビアに勝った初戦だけ。
セネガルには熱戦の末に引き分け。ポーランドはあのままガチンコで続けていればさらに失点を重ねていたかもしれません。
4試合で6得点7失点
世界の中堅国以上でも1点以上を見込める得点力があるのはジーコジャパンやザックジャパンから変わらず。
しかし1試合で2失点ちかい守備力では勝ち上がれない。
特にセットプレーの弱さはここ10年近く日本の課題。個の能力のアップに期待したいところです。
よかったこと、わるかったこと
大迫、乾、柴崎の3選手は今大会本当に好調でした。大迫はクリバリやコンパニ相手にもボールが収まるし起点になっていました。
乾も謎の決定力を発揮。もちろん得点シーン以外にも長友、香川とのコンビで積極的に崩していましたし、守備も頑張るだけでなくキチンと効いていました。
柴崎は持てる力の120%くらい出ていたんじゃないでしょうか。コロンビア戦まではまだ半信半疑でしたが、セネガル戦でもベルギー戦でも攻撃は全て柴崎経由。特に長いパスは糸を引くようでとても気持ちよかった。
本田も役割を受け入れて1G1A。スーパーサブとして機能していたし、何より憑き物が落ちたかのようにスッキリとした表情でプレーしていました。
酒井宏も高さ勝負で全く負けなかったし、地上戦も安定。攻撃もクロス、ドリブルの質ともに問題なく、本当に成長しましたね。
こんな選手になると思わなかった。
昌子は唯一のJリーガーでしたが、ニアンとファルカオをほぼ完封。ルカクともそれなりに勝負できていたし、持ち上がって攻撃の起点になることも多かった。
ベルギー戦最後の失点は一生忘れられないでしょうが、これをバネに思いっきり成長してほしい。
吉田と長友もさすがの安定感を見せてくれました。吉田はルカクを完封かと言われると怪しいですが、大会を通じてポカがなかった。
長友は南アフリカの頃の躍動感が戻って来た上に、ベテランとしての味もあっていまが一番いい時ではないでしょうか。
精神的にも充実期に入って来ているように見えました。
ほとんどの選手が終わったあと晴れやかな表情をしていたのが印象的でしたね。
西野さんも2ヶ月しか準備期間を与えられなかった監督としてみれば、まとまりのあるいいグループを作ってくれたと思います。
技術委員長としての話は別ですが。
わるかったのはやはりセットプレーの守備。
ここで失点をどうしても重ねてしまう。
あとはGKとの連携もそう。
そして最後に、先発の11人と本田以外にベンチに選択肢がなかったこと。
特に守備のオプションがないのは厳しい。
フェライニを投入してくるという、スカウティングしなくても予想できる展開で、槙野や植田を信頼して使えるベースまで持ってこれなかったこと。
また中盤の守備のオプションに遠藤を使えず、三竿はいない。山口しか選択肢がないという状況。
これらの状況になってしまった時点でかなり劣勢を強いられます。
始まる前から劣勢を強いられていたのはもちろん準備期間が足りなかったから。
それはもちろんハリルを解任したからに他ならないんですが、ハリルでも同じことが起こったかもしれません。
しかし、直前で監督交代を行なったことで、事の本質がボヤけて「準備期間が足りなかった」と結論づけらる可能性があります。
それだけは避けてほしい。
改善点と今後
日本には個の力と守備力を重視してほしい
吉田のコメントにもあるように、個の力をどれだけ高めていけるかです。デュエルを避けるとか、チームでどうこうとかは、そのもとになるベースに個の力がないとどうしようもない。そこから逃げてはいけない。
「フィジカル的な問題は今日明日で変わるわけじゃない。育成の部分から改善していかなければならない。日本のクイックネスやアジリティの部分で良さを出しつつも、もっと世界で通用する選手を輩出していかなければならない。そこは日本全体がサッカー協会と選手がしっかり考えなければいけないかなと思います」
「やはりたくさんの選手がヨーロッパでプレーして、揉まれて、学んでいかなければいけないんじゃないかと思います。源や(植田)直通、(鈴木)大輔などに言ってきましたが、彼ら(ベルギー選手など)と対峙していないと、大舞台でいきなり対戦するのは難しい。そういう経験値の部分を次の4年で高めていかないと」
ベルギー戦後 吉田麻也 https://goo.gl/aAx86u
とくに日本は攻撃の選手を優先する傾向にありますが、中澤と闘莉王がいた2010年を除いて、どうしてもディフェンス力で劣勢に立たされてしまいます。
DFにもパス出しや攻撃の能力を求めがちですが、やはり原則は守備力。そこで絶対にやられなくなって初めてビルドアップやらなんやらと求めていかないとJリーグの外では通用しない中途半端な選手で終わってしまうかもしれない。
そしてキーパーも。批判にさらされていましたが、川島は日本でもトップクラスのGKです。
現時点での日本の最高クラスでさえ、世界に出ていくとこうなってしまうということなので、川島個人を責めるというよりは、日本がどう育成していくのかが急務です。
ヨーロッパでキーパーやセンターバックがいないということは、日本が育てたキーパーやセンターバックは世界ではいらないと言われてるということですからね。
戦術もヨーロッパはもう2回りくらいJリーグの先を行っている。
育成も含めて今後日本がどのような長期プランを持って進んでいくのか。
それを改めて考えさせられました。
今後の代表と協会に求めること
クリンスマンが監督就任かという報道もありましたが、何を課題としてどのような強化プランがあるのかを明確に打ち出してほしい。その中で代表監督はどのような役割を果たすのかをキチンと検証し、発表も合わせて行ってほしい。
そのプロセスが抜け落ちるのであれば、代表監督がグアルディオラだろうがベンゲルだろうが反対です。いま受けてくれる中で一番有名っぽい人で行くのはもうやめよう。
アギーレにはブラジルワールドカップでの課題検証を受けての確かな流れがあり、ハリルも緊急事態ではあったものの、その流れに沿った監督でした。
ブラジルワールドカップからこの4年間は、自分たちがボールを保持するサッカーでは点は取れても取られてしまう。それでは世界では勝てないというところからスタートしたはず。
アグレッシブな守備からのカウンター。個の守備力。インテンシティやデュエルを少なくとも最低限戦えるレベルまで持ち上げる。まずはそこ。
どんな戦術をとっても、どこかで個の力で勝負しないといけなくなります。数的優位をある局面で作ったら、別の局面では数的不利になってるんですから、そこをごまかし続けるには相手の倍を全員が走れなければならないという無理を要求しないといけません。
監督や協会のトップが変わったらコロコロかわる成長戦略では意味がありません。
キチンとした説得力のある成長戦略とそれを客観的に分析できる目をどうか育ててほしい。
日本のメディアも、非公開にしているポーランド戦のスタメンを大々的に公開するようなマネはやめてほしい。知ったことをいいか悪いかも考えず、とにかく部数や視聴率稼ぎの為に流すのはやめてほしい。
スキャンダラスな見出しだけを求めて、内紛があるかのように仕立て上げ、前任者を追い出す片棒を担ぎ、すべての功績は西野さんのおかげだというような報道はやめてほしい。
サッカーが文化として根付くにはメディアの成長がかかせません。
さいごに
野球だったら、ノーアウト2、3塁で僅差なら、打者はライトへ犠牲フライ。投手はとにかく低めをついてゴロを打たせるみたいなセオリーが飲み屋のおっちゃんでもわかってますよね。
サッカーでもそのレベルまでみんなが上がってくれると楽しいと思いませんか?
サッカーはまだまだ後発組です。でもこの盛り上がりを4年に1度にするのは勿体ない。
とにかく声を大にして言いたいのは、
みんなサッカー見ようぜ!
ワールドカップおもしろいでしょ? 日本代表の選手達の活躍をクラブでも見たくないですか? これからの代表に自分たちが応援する選手が入って行ったら楽しみじゃないですか?
Jリーグを見に行ってほしいし、海外サッカーに興味がでてきたら、スカパーでもダゾーンでもいいからとにかくサッカーに触れる機会が増えてくれたらいいなと思う。
サッカー好きのディープ層の人たちは、初心者の知ったかぶりが鼻につくかもしれませんが、たぶん皆さんも最初はそうだったはず。
新規のファンの人達を排除し、閉鎖的な世界にしてしまうと未来はありません。ぜひ温かく迎え入れて、サッカーファンを拡大していきましょう。
それが日本サッカーを確実に強くします。
民放ではなかなか中継がありません。WOWOWがスポーツから後退気味なので、サッカーを観る実質的な選択肢はスカパーかDAZN(ダゾーン)
家のテレビで見るのが中心ならスカパーがいいですね。
DAZNはスマホやタブレットが中心。テレビで見るならfireTVやchrome、AppleTVなどでアプリ経由で見ることもできます。
スカパーはサッカー中継に定評があります。
ブンデスリーガは独占ですね。セリエA、リーガ、プレミアも一部放送。
Jはルヴァンカップを全試合放送していますので、若手をチェックしたい人はスカパー。
また、プロ野球、MLBも全試合放送。
解説・実況の充実と、サッカー系の討論番組が充実してるので、サッカー通には人気が高い。
2週間無料なので、試してみてダメなら解約できます。
ほかに映画やエンタメとも組み合わせられるので家族で加入するならスカパーがいいですね。
DAZN(ダゾーン)はスポーツに圧倒的に強い
Jリーグはもちろん、プレミア、リーガ、リーグアンは全試合放送。
なんと18-19シーズンからUEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパカップも全試合放送。
面白いところでは、リーガの2部も一部放送があります。
これに加えて、プロ野球は全試合、メジャーリーグは一部放送と充実のラインナップ。
サッカー中継は実況と解説がややアレなのがアレですが、これが月額1,780円(ドコモユーザーは980円!!)ですからね。