SONYから新たに発売されたハイエンドの完全ワイヤレスイヤホン『WF-1000XM4』を購入しました。SONYのイヤホンらしく、万人に受け入れられるバランスの取れた最高クラスの音質に、こちらも最高レベルのノイズキャンセリングをはじめとした、各種機能をてんこ盛りにした全部入りイヤホン。
これだけの機能を詰め込んだのに、全モデルのWF-1000XM3より二回りくらい小さく軽くなっているという、SONYの技術の結晶のような無敵のイヤホンでした。
- イヤホン関連の記事はこちら
- 平均点が全て高い高音質
- AirPods Proに勝るとも劣らないノイキャンと自然な外音取り込み
- 充実したアプリ
- なんとケースが自立する
- ペアリング先の切替が簡単
- 優等生すぎる素直な音
- マルチポイントに非対応
この記事の内容
全方位的に抜かりなし。SONY WF-1000XM4レビュー
スペック
ドライバーユニット | 6mm |
重さ | イヤホン本体 片側7g ケース41g |
バッテリーライフ | 最大8時間(NCオン) 最大12時間(NCオフ) |
通信方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
伝送帯域(A2DP) | 20Hz-20,000Hz(44.1kHz sampling) 20Hz-40,000Hz(LDAC 96kHz sampling 990kbps) |
ペアリング | マルチペアリング (最大8台まで) |
バッテリーライフ
バッテリーライフはスペック上はノイズキャンセリングONで8時間、ノイズキャンセリングOFFだと12時間で、充電ケースは満充電でイヤホンを2回満タンにできます。
実際に使ってみてもノイズキャンセリングONで5、6時間は持つ印象。長時間のオンラインミーティングでも余裕です。バッテリー残量が少なくなっても、5分充電すれば1時間使用が可能なので安心安全。
対応コーデック
対応コーデックはSBC、AAC、LDACの3種類のみ。android系でおなじみだったapt-X系の接続コーデックを思い切って外してきました。
WindowsはSBC、iOS系はAAC、androidはLDACでと言うことでしょうか。動画観賞をしていても、違和感のあるような遅延は感じないので、タイミングがシビアな音ゲーでもしない限りは、実用上は問題ないと思います。
マルチペアリングは8台まで!
残念ながら、マルチポイントには対応していないものの、マルチぺアリングは8台まで登録可能で、ワイヤレスイヤホンの中ではかなり多い方です。だいたいのイヤホンが3台とか4台くらいかな。
8台もあれば、自分の持っているほとんどのデバイスを登録しておけるはずです。マルチペアリングの切り替えって結構めんどくさいと思われがちですが、このWF-1000XM4はその辺も簡単。
マルチペアリングの切り替えは簡単
普通はイヤホンをケースに入れなおしたり、接続している機器側のBluetooth設定から、一度接続を切って、改めて次のデバイスに繋ぎなおす作業が必要なものがほとんどです。
SONYのイヤホンはマルチペアリングの切替がとても簡単。今のデバイスには接続したままで、次に接続したいスマホのBluetoothの接続先一覧からWF-1000XM4を選んでタップするだけ。
ワンタップで接続先を変えられるので、マルチペアリングでも機器の切替がとても快適です。
WF-1000XM4の外観
再生紙っぽい外箱に入ってやってきました。『サトウキビや竹、市場で回収したリサイクル紙を由来とするオリジナルブレンドの再生紙』らしいです。
iPhoneのような高級感や密閉感はなくて、一度開けるとバラバラになってしまいます。
転売とかしないなら普通は気にせぇへんけどな
同梱物
- 本体、充電ケース
- マニュアル類
- USB type-C
- イヤーピース(S・M・L)
マニュアル類一式はこんな感じ。
USB−C to Cケーブル付いてきますが、超短い…笑 特筆すべきはイヤーピースです。後述しますが、これの出来が相当良かったと思いました。
本体・ケースの外観
本体、充電ケースともに全モデルのWF-1000XM3よりかなり小さくなりました。
ケースのサイズ感はこんな感じ。もちろんもっと小さなものはたくさんあるけど、ほとんどの人が手にしたら「あ、小さいな」と思う大きさじゃないでしょうか。
バッグやガジェットポーチはもちろん、ズボンや上着のポケットにも十分収まります。手ぶらに近い感じで出かけたいのに、ケースが大きいとポケットやバッグへの収まりが悪くてムズムズしてしまいますが、このサイズ感ならノーストレスです。
正面に大きめのインジケーターがあって、充電状況やバッテリー残量を管理できるようになっています。オフホワイトのような、マットな質感のグレーでなんとなく環境に優しいようなイメージ。イメージだけね。
充電はType−Cケーブルに加えて、ワイヤレス充電にも対応。ワイヤレスイヤホンくらいの小さな容量の充電こそワイヤレス充電が最適だと思うんですよね。ポンと置いておしまいなのは最高。
何よりこのケース、自立するんですよ。前モデルWF-1000XM3は、ケースが大振りな上に底が丸くて自立しなかったんですよね。この進化ポイントは地味なようで実はWF-1000XM3ユーザーが一番ストレスを抱えていた部分だったりするような気がしてます。
イヤホン収納時はマグネットでカチャっと吸い付きます。そこそこ強めの磁力なので、さかさまに向けたり開けたまま振り回したりしても、うっかり落としたりはしなさそうです。
ただ、ケースから取り出す時にイヤホンに引っかかりが少ないので、そのタイミングで落としてしまったりはしそうな気がしました。電車の乗り降りの時によく落とす人がいるので、このイヤホンに限らず気を付けましょう。
本体はこちら。WF-1000XM3が楕円っぽくて、耳から少し出っ張るようなものだったのに対して、WF-1000XM4は円形のデザイン。
操作はタッチで行います。個人的には物理ボタンの方が操作ミスがなくていいんですけど、WF-1000XM4のタッチセンサーは感度が絶妙で、つけ外しやポジションをちょっと直したりする時の誤操作が少ないと感じました。
WF-1000XM4は「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と名付けられた二つのマイクを使った高性能のノイズキャンセリングを搭載しています。
デザイン上のアクセントにもなっている外側のマイクがフィードフォワードマイク。このブロンズっぽい感じとグレーのコントラスト、最高にかっこいい。
内側には、もうひとつ集音用のフィードバックマイクと、イヤホンの装着を感知する赤外線センサーが備わっています。
この2つのマイクと、SONYが自社開発した「統合プロセッサーV1」によって最高のノイズキャンセリングを可能にしています。
ちなみにブラックとの組み合わせもものすごく良くって、最後まで死ぬほど悩みました。
あとは外からは見えないんですが、イヤーピースが本体同色なのもミニマルな印象が出ていいですね。これ、買い換えのときはもうこの色はないみたいなので、貴重なのかもしれない。
イヤホン本体は2つで14g。
ケースだけで41g。
ケースと本体で55g。かなり軽量な部類に入ると思います。AirPods Proは56.4gなのでほぼ同じですね。
装着感はどう?
イヤホン本体と耳の接触面を増やすような形状設計「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」を採用し、装着の安定感が高まりました。
1000XM3は持ってないんですけどね
ねじって耳の穴に差し込む感じで装着します。WF-1000XM3の楕円形から円形になったことで見た目の耳への収まりはかなり良くなっているように思います。
首を振ったり、多少走っても全く外れるような気配はありませんでした。これなら、通勤や通学時にポロッと落ちて紛失や破損するようなことはなさそうです。
ランニングも何回かしてみましたが全く問題ありませんでした。ジムワークなんかでも余裕だと思います。IPX4レベルの防水性能なのでちょっとした雨や汗くらいは大丈夫。
現在発売されている完全ワイヤレスイヤホンはある程度の防水性能が伴ってるのが普通になっていますが、1000XM3は防塵防水ともに非対応でした。完全ワイヤレスイヤホンはスポーツシーンで使う人も多いと思うので、これは嬉しいポイント。
ランニングやジムワークにワイヤレスイヤホンはもはや必需品やもんな
- 防塵性能はなし
- あらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない(防沫形)
砂や細かい埃に対しては防げないものの、汗や小雨程度の雨といった飛沫に関しては防水性能があります。
イヤーピースの付け心地が最高
付属の「ノイズアイソレーションイヤーピース」の出来がとてもよくて、いろんなレビューサイトでも絶賛されています。
コンプライやNUARLのMagic Ear+のようにギュッと押しつぶして耳に入れると、形が元に戻って耳の形状にぴったりとフィットするという仕組み。
耳の形状に関わらず、確実にフィットするので、遮音性が増してイヤホンから発する音を漏らさずに耳に伝えてくれるのがこのタイプのイヤーピースの特徴です。
イヤーピースの遮音性が、このイヤホンのノイズキャンセリングの効きに大きく貢献しています。イヤホンを付けるだけで耳栓としてかなり優秀。
外側はウレタン製低反発素材で、イヤホンに取り付ける部分はシリコンの芯。
コンプライのものよりも、表面が滑らかに作られていて、耐久性は少し高そうな印象。
コンプライのイヤーピースは、表面が少しガサッとしているので、表面が荒れはじめるとモロモロと崩れ落ちていってしまいます。
ノイズキャンセリング、アンビエントモードは超優秀
WF-1000XM4の評価で目立っているのがノイズキャンセリングとアンビエント(外音取り込み)の優秀さ。どちらも現在の完全ワイヤレスイヤホンの中では最上級レベル。
ほとんど無音の世界を作れるANC
「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と名付けられた二つのマイクを使った高性能のノイズキャンセリングを搭載。
デザイン上のアクセントにもなっている外側のマイクがフィードフォワードマイク。内側には、もうひとつ収音用のフィードバックマイクが備わっています。
この2つのマイクと、BluetoothSoCと高音質ノイズキャンセリングプロセッサーを1つのチップに統合した、SONY自社開発「統合プロセッサーV1」によって、WF-1000XM3よりもノイズに対して低遅延での処理が可能に。
特に高音域でのノイズキャンセリング性能が向上。プロセッサーを統合することでイヤホン本体の小型化も実現しました。
SONYの本気すごいな!
実際に使用してみると、ノイズキャンセリングはかなりの高レベルです。AirPods Proに肉薄するという噂にたがわず、ほとんど無音の世界を作り出してくれます。
家の中であれば、エアコンの風の音や冷蔵庫の動作音なんかも全くと言っていいほど聞こえなくなります。テレビの人の話し声はわずかに聴こえる程度。
ブーンといったモーター音や車の音など低音域はほぼ完ぺきに消し去ってくれますし、人の話し声のような中音~高音域もかなり低減してくれています。
通勤・通学の電車内でもノイズキャンセリングはとても有効。昨今の事情から、地下鉄でも窓を開けてたりしますが、あれによる騒音って本当に不快な爆音ですよね?
あの大きな音すらかき消してくれるので、本当にありがたい。通勤・通学がかなり快適になること間違いなしです。
イヤホンを外した時に、こんなに雑音がなっていたのかと驚きました。
ただし、アナウンスの音も耳を澄まさないと聞こえないので乗り過ごし要注意です。
居眠りなんてしていたら熟睡必至なのでマジのガチで要注意です。
ノイズキャンセリングの天敵が風切り音ですが、WF-1000XM4は風ノイズを低減してくれる機能も搭載。アプリから風ノイズ低減をONにすると、風を検知したら自動でフィードフォワードマイクをオフにしてくれます。
アンビエントも優秀だけどもう一歩か
アンビエント(外音取り込み)モードも、とても優秀な部類です。…が、トップ of トップかと言われるともう一歩かなと。
装着しているのを忘れてしまうレベルだと評されるAirPods Proに比べると、わずかにではありますが、マイクで増幅されたような感じを受けてしまいます。
ただし、これは本当にトップレベルの争いでのお話。例えば、コンビニで店員さんと話をするのに何か不自由なことは全くないです。
ほぼ完ぺきに相手の言葉も聞き取れますし、こちらの話している声も、変に増幅されて自分に聞こえてくるっていうようなこともありません。
AirPods Proに比べるとほんのちょっと、わずかに届かないかという感じなので、他の完全ワイヤレスイヤホンと比較すると超優秀だと言っても過言ではないです。
Headphonesアプリから外音取り込みレベルの調整(1~20)をしたり、周囲の音を取り込みながらもノイズは低減して、人やアナウンス音のみを聞きやすくする「ボイスフォーカス」の設定もできます。
お店で話すときに便利なクイックアテンションモード
音楽を聴いている途中でも、レジで店員さんと話したりする時に便利なのがこのクイックアテンションモード。左耳を長押しすると、押している間だけ音楽の音量が下がり、アンビエントモードになります。
スピークトゥチャットという、こちらが声を出すと自動で音量を絞り、外音取り込みにする機能もあるのですが、少し大きめの咳払いくらいでも反応してしまったりで、ちょっと使い心地が悪い。
コンビニのレジくらいだったらクイックアテンションモードで会話することの方が多いですね。
マルチポイントじゃないけど、接続先変更も楽ちん
音質レビュー
さて肝心の音質についての感想です。ちなみにiPhoneを使って聞いているのでコーデックはACC接続で聞いていますので、ハイレゾ音源ではありません。
公式サイトによると、「WF-1000XM3から磁石体積を拡大し、かつ、振動板の可動性を高めたハイコンプライアンスな振動板を採用した専用設計6mmドライバーユニット」を採用していて、低音域の再生能力とノイズキャンセリング能力が向上しています。
ドライバーユニットは大原則として大きい方が音質に幅が出て高音質になるというのが定説。現在は10㎜を超える大きなドライバーを搭載するイヤホンも多くなってきた中、6㎜というサイズは標準程度。
ちょっと物足りないのでは思っていましたが、聞いてみるとこれはすごいぞと感じました。
全方位的に隙が無い。優等生的サウンドの最高峰
音質傾向としては、偏りがなく全方位的にレベルが高いなという印象。各パラメーターでレーダーチャートを作ったら、きれいな五角形や六角形ができそうだなといった感じです。
音の分離感もよくて解像度も高いので、低音から高音までとてもクリア。
安いイヤホンだと、低音が効いていても、モコモコといろんな音が混ざってくぐもって聴こえたりしますが、WF-1000XM4はバスドラ、ベースもきちんと分かれていて、しっかりと音が立っています。
特にベースラインは、イヤホンによってはかなり吸収されてほとんど聞こえなかったりしますが、ベースが聞こえると、楽曲の土台がすごくしっかりとするし、楽曲全体の印象がかなり変わると思います。
低音は力強いですが、悪目立ちする感じではなくいいバランス。
中高音域についてもボーカルは男性・女性ともに聞き取りやすく各楽器の解像感も高く感じました。
全体的にバランスが取れていて、メリハリのあるクリアな音質。誰が効いても納得感のある音質傾向だと思います。
360 Reality Audioが楽しい
360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)に対応している音源があれば、360°全方位から音に包まれる感覚を楽しめます。これは説明するより体験してもらったほうが分かりやすいかと。
こちらのアプリで無料体験ができます。ちょっとおもしろいですよ。
このアプリ、ダウンロードして試してごらん。飛ぶぜ?
但し、現状では対応している音源も少なく、対応していてもほぼ洋楽。追加で月額料金も必要なので、まぁこのサービスそのものがWF- 1000XM4を選ぶ理由にはならないですね。現時点では。
Amazon MusicHDには360RealityAudioに対応した楽曲も揃ってきていますが、現状ではスピーカーには対応しているものの、イヤホンには未対応です。
Amazon MusicHD自体は月額980円(プライム会員は780円)と現在Amazon Music Unlimitedに加入している人なら追加料金なしで高音質の音楽ストリーミングサービスが楽しめるサービスです。
他のストリーミングサービスに比べてもかなりお得なのでプライム会員なら初めておいて損はないかと。
月額780円から!
LDAC対応機ならさらに高音質
LDACというSonyが独自に開発した高音質コーデック対応機であれば、SBCやAACの3倍(最大転送速度990kbps)で音楽を楽しむことができます。
現状ではiPhoneは対応していません。一部のandroid搭載のハイスペックスマホやウォークマンのハイグレード機種のみに搭載されています。
iPhoneユーザーがWF-1000XM4でLDACでの音質を体験することは出来ないので、どうしても聞いてみたいという場合は、対応しているウォークマンを買うのが一番手っ取り早くて結局安価で済みそう。
iPhoneだとWF-1000XM4の意味がない?
iPhoneだと接続コーデックはもちろんACC。転送速度そのものがはハイレゾに対応していないので、売りの一つでもあるLDACという超高音質音源もiPhoneでは利用できません。
じゃあiPhoneユーザーがWF- 1000XM4を選ぶ意味がないのかと言うとそうではありません。イヤホンとしてそもそもかなりレベルが高いので、音質だけで比べてもかなりレベルが高いと感じるはずです。
さらにDSEE Extremeによって、ストリーミングサービスなどの圧縮音源であっても、ハイレゾ級の高音質にアップスケーリングしてくれます。
膨大な楽曲データを学習しているAI(人工知能)技術により、リアルタイムに楽曲の情景を分析し、最適にハイレゾ級の高音質にアップスケーリング。圧縮により失われた音源本来の周波数特性をより高精度に再現することで、臨場感あふれる高音質をお楽しみいただけます。
引用 : https://www.sony.jp/headphone/products/WF-1000XM4/feature_1.html
このDSEE Extremeがかなり優秀です。家電量販店でLDAC対応のウォークマンを試聴できたので聴き比べてみましたが、正直がっつりと比べてみないと僕レベルの耳では判別つかないくらいの差でした。
iPhoneユーザーであっても、コーデックの差をそこまで気にする必要はないかと思います。iPhoneでの視聴でも十二分に高音質を楽しむことができます。
動画も遅延無し。ゲームもそこそこイケる
YouTubeやその他動画サービスでも、映像と音のズレは感じませんでした。DAZNでボクシングを見ても、打撃音と映像でズレることもありませんでした。
AAC接続のiPhoneはもちろん遅延性で不利なはずのSBCで接続したWindowsPCでも快適に動画視聴ができたので、搭載しているV1チップが相当優秀なのかもしれません。
ゲームもRPGなんかはもちろんアクション系でも問題なくプレイできましたが、シビアな音ゲーや系はどうなんでしょう? 僕はその辺あんまりやらないのでわからないんですが、多分有線イヤホンの方が無難なんでしょうね。
通話品質も良好
通話品質は極めて良好です。ビームフォーミング技術と骨伝導センサーで、外部が騒がしくてもこちらの声をかなりクリアに届けてくれます。
車通りの多い道路わきの歩道や、駅のホームの雑踏の中でも普通に会話できてました。これはなかなか高精度。
通話時は自動的にアンビエントモードになるので安心です。
テレワーク時のオンライン会議でも全く問題なし。相手の声もクリアに聞こえるし、遅延もないのでオンライン会議が快適でした。
こちらの声もかなりクリアに届いているようで、何を言ってるのか聞き返される頻度が激減しました。
おのれの滑舌の問題ちゃうんか…
専用アプリ「Headphones」が優秀
SONYのイヤホン、ヘッドホンの設定用アプリ「Headphones」がとても優秀で使い勝手がいいんです。
主にこんなことが設定可能です。
ステータス
・アダプティブサウンドコントロール ON/OFF
・音楽操作
サウンド
・外音コントロール(外音取り込み/ANC/オフ)
・スピークトゥチャット ON/OFF
・イコライザー
・360 Realty Audio設定
・Bluetooth接続品質(音質優先/接続優先)
・DSEE Extreme ON/OFF
システム
・音声アシスタント設定
・タッチセンサーの機能を変更
(外音コントロール、再生コントロール、音量コントロールの中から2つを選択)
・最適なイヤーピースを判定
・自動電源オフ設定
・通知音とガイダンス ON/OFF
・ソフトウェアの自動ダウンロード ON/OFF
・設定の初期化
一つ一つ上げていくとキリがないので、特徴的な機能だけを取り上げてみたいと思います。
最適なイヤーピース判定
付属のイヤーピースできちんと密閉されている(フィットしている)かどうかを判別してくれます。イヤーピースの密閉度はそのままノイズキャンセリングの効きや音質につながるので、感覚ではなく機械的に判定してくれるのはうれしいポイントです。
左右別に判定してくれるので、右はS、左はMがちょうどというような判別もきちんとすることができます。
注意しないといけないのは、あくまで「密閉されているのか」の判定です。Sのイヤーピースで密閉されていると判定された人は、Mを付けてもLを付けても「密閉されている」という判定がでます。
必要以上にキツいイヤーピースを付けても意味がないので、「密閉されている」と判定された中で一番小さいサイズのイヤーピースを選ぶのが基本でいいかと思います。
イコライザーも設定可能
イコライザーは予め準備された8つのプリセットから選ぶこともできますし、各数値を自由に設定することもできます。
設定できる数値はそこまで細かくはありません。特に低音域の部分はClearBassという項目の増減だけ。中音域以上の部分を割と細かめに設定できるようなもの。
割と適当に設定しても音が破綻しないのはさすがですが、ガチンコで自分の好きな音を突き詰めていきたい人には、もしかしたら物足りないかもしれません。
僕はこれで十分ですけどね
どんな音源でも音質をアップしくれる「パーフェクト設定」なるものが界隈にはありまして、それを参考に設定してみたのがこちら。
ボーカルが浮き上がってきて、各音域のメリハリも出るので、参考にしてみてください。
タッチコントロールの設定メニューがイマイチ
これは数少ない不満点で、他のレビューでも結構言及されていますが、本体でタッチコントロールできるメニューがイマイチなんですよね。
- 外音コントロール
アンビエント、ノイズキャンセリング、オフの切替 - 再生コントロール
再生、停止、曲送り、戻しなどの操作 - 音量コントロール
音量の操作
この3つの中から二つ選んで、左右のイヤホンのどちらかに割り当てるんですけど、どれか一つをあきらめないといけないんです。
これ絶対どうにかなったやろ…
ほとんどの人は音量コントロールをあきらめるみたいです。まぁこの中の選択肢ならそりゃそうか…
スピーク・トゥ・チャット
上でも少し触れましたが、スピークトゥチャットという、こちらの声に反応して自動的に音楽の音量をさげて、外音取り込みモードにしてくれる機能があります。
例えばレジで、こちらが「すいません」と声をかけると、それをきっかけに外の音が聞こえるようになります。
操作をせずにアンビエントに切り替えられるのは便利ではあるものの、結構敏感に声を拾ってしまって、予期せぬタイミングで切り替わってしまうことが多々あります。
感度も設定できるんですが、「自動」や「高感度」だと軽い咳払いくらいで切り替わるし、逆に「低感度」だとちょっと大きめの声じゃないと反応してくれなかったりするので、僕はオフにして、必要な時はクイックアテンションモードを使うことにしています。
アダプティブサウンドコントロール
止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンの行動を検出して、ノイズキャンセリングやアンビエントを自動で切り替えてくれます。
一動きの検出精度自体はすごくて、立ち止まっているとき、歩き始めた時はほぼ遅滞なく反応してくれます。
…が、信号で止まったらノイズキャンセリング、10秒後に歩き出したらまたすぐアンビエントといったように、かなり積極的に切り替えが行われて、正直ちょっとうっとうしいので、僕はオフにしています。
これが気持ちいい感じのフィーリングになってくれれば、タッチコントロールから外音コントロールを外せるんですが、ちょっとそこまでではないみたい。
さいごに
こんな感じで、SONYのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を紹介してみました。
音質的には全方位に隙の無いな音作りで、すべての項目がまんべんなく高く、誰が聞いても納得感のある仕上がりです。低音から高温までしっかりと音が立っていて、とっても聞きやすくレベルが高い、
さらにそこからアプリのイコライザーで追い込んでいくこともできるし、付加機能もこれでもかと全部詰め込んだ、今SONYが作れる最高のアイテムだと感じました。
唯一にして最大のデメリットは値段が高いことかもしれませんが、このクオリティを体験するとそれもまあ納得。
いいイヤホンってどれですか? と尋ねられたら、これを紹介しておけばまず間違いない。そんな優等生的な出来のいいコです。ぜひ試してみてください。
- イヤホン関連の記事はこちら