mobvoi(モブボイ)から発売されているTicWatchシリーズの最新モデルでハイエンド『TicWatchPro5』をご紹介します。
iPhoneならApple Watch一択という状況だけど、androidスマホは違う。百花繚乱状態のスマートウォッチの中でも人気なのがこのTicWatchシリーズ
最初に注意しておきますが、本アイテムはiPhoneでは使用できません!ので、くれぐれもご注意ください
ハイエンドらしい全部入りモデルを紹介していきますのでぜひ最後までお付き合いください
ここがGOOD
- 2層ディスプレイによる電池持ち
- 質感が高く高級感がある
- 最新CPUとOSで動作がヌルサク
ここが気になる
- iPhoneでは使えない
- 本体に比べて低いベルトの質感
- TicWatch Pro 3 Ultra と比較して進化ポイントがやや弱い
動画でも紹介しています。サイズ感や操作のヌルヌルサクサク感は動画の方が伝わりやすいと思います
TicWatch Pro5レビュー|二層式ディスプレイ搭載、バッテリー長持ち、全部入りの最強スマートウォッチ
この記事の内容
開封・付属品
梱包もさすがにしっかりしてる。さすが5万
付属品はマニュアルと専用の充電コード
充電コードはマグネットで吸い付くピンコネクタで電源側はUSB-TypeA
この時代にまだUSB-Aっておまえ…
裏側にあるコネクタにマグネットで吸い付くタイプ。急速充電に対応していて15分で65%までバッテリーが回復します
あとは各国言語で書かれた簡易マニュアルと取り扱いの注意事項が書かれた冊子
本作からはWearOSアプリではなくMobvoi Healthという独自アプリでセットアップして行くことになりました
このアプリはApple Storeにはありませんので残念ながらiPhoneには非対応
繰り返します。iPhoneには非対応、iPhoneには非対応です!
どうしてもiPhoneでつかいたいという方は前モデルの『TicWatch Pro 3 Ultra 』をどうぞ
ちなみにですが初期設定自体はサクサク進められるので、初心者でも全く問題ないレベルです
デザイン
細かいところまで行き届いた高級感あるデザイン
Apple Watchは四角いディスプレイですが、こちらは円形ディスプレイでより時計感がありますね。素材はステンレスとアルミ。本体のボックス部分がステンレスでベゼルがアルミ
ベゼル部分にはローレット加工が施されていて高級感も感じられます
裏面は光学センサーと充電端子。ここも見えない部分なんですが、整然としていて質感がめちゃめちゃ高い。お金かかってるなぁと感じます
サイドにはボタンとリューズがあります
動画のフルバージョンはこちら
リューズ部分はApple Watchのデジタルクラウンのように押しこむとボタン、回転させるとディスプレイがスクロールします。Apple Watchみたいな赤いラインは正直いらなかったな
美しさと電池持ちを両立させた2層式ディスプレイ
ディスプレイは最大の特徴の一つ。傷がつきにくく、指紋も防止してくれるコーニング社製のゴリラガラスを採用しています
1.43インチの高精細な有機ELとFSTN液晶という超低電力ディスプレイの2層構造
操作するのは高精細で明るいOLEDだけど、普段はFSTN液晶に必要な情報を常時表示している。バックライトも搭載しているので暗いところでも視認性は十分
低電力ディスプレイにも必要な情報は網羅されていて、この状態でデジタルクラウンを回転させてスクロールするとさらにいくつかデータ計測も可能
・心拍数
・血中酸素濃度
・コンパス
・消費カロリー
腕を傾けたり、ディスプレイに触れるとバックライトが転送します
バックライトの色も変更可能ですが、設定の場所がちょっとわかりにくいところにあるので以下参照
設定 >画面 > 常に画面をON > バックライトの色
低電力モードのウォッチフェイスは固定なのでそこはちょっと残念
ウォッチフェイスはTime Showというアプリからダウンロードして変更します
珍しく(失礼)ちゃんと使えるレベルのものが多数揃っています
ちゃんとシンプルでおしゃれなものが合ったり、表示情報がカスタマイズできたりと無料のものの中で選んでも満足できるのではないでしょうか
若干、版権とか気になるものがありますが、もちろん大丈夫ですよね!
ベルトはサイズ、質感共にイマイチ…
ベルトは柔らかいシリコン製
ワンタッチで取り外すことができるタイプで、市販品と互換性があります
ベルト幅は24mmとややレアなサイズ。時計のベルトって主流は20mmとか22mmあたりなので、選択肢がやや限られるかもしれません
ベルトの質感は正直イマイチです。5万円するハイエンドモデルにしてはちょっと安っぽい。柔らかくて装着感としては何の不満もないけどぺたんとしていて、立体感もなくテンションは上がらない
5万円のアイテムなので、単純なガジェットというよりも「時計としてどうなのか?」という視点からもみられてしまう価格帯だと思いますし、もうちょっと頑張ってもよかったんじゃないかなと
時計本体の質感が高いだけに悪目立ちしてしまいます
操作方法や使用感
操作系統は2つ。ボタンとリューズ(デジタルクラウン)
リューズ(デジタルクラウン)
・1回押し:アプリ一覧
・2回押し:最後に使ったアプリ
サイドボタン
・1回押し:最近使ったアプリ一覧
・長押し:再起動 / 電源関係メニュー
スワイプ操作
・上スワイプ:各種通知
・したスワイプ:クイック設定
・右スワイプ:前に戻る
・左右スワイプ:タイル表示
デジタルクラウンは押し込みでボタン、回転させるとディスプレイがスクロールします
ハード的には回してもクリック感はないですが、バイブで擬似的にヴヴヴっとした手応えをフィードバックしてくれます
ディスプレイをスマホのようにスワイプ、タップ操作もできます
動画のフルバージョンはこちら
最新のCPUとOSを積んでいるおかげでかなり滑らかに操作できます
ヌルサク感が気持ちいい!
スペック
発売日 | 2023年5月25日(木) |
定価 | 49,999円(税込) |
本体色 | ブラック |
サイズ・重さ | 50.15mm × 48mm × 12.2mm 44.35g |
材質 | (ケース)ステンレス、アルミニウム、高強度ナイロン、グラスファイバー (ディスプレイ)米コーニング社製指紋防止加工ゴリラガラス (バンド)固形シリカゲル(交換可能) 24mm |
OS | Wear OS4.3 |
CPU | Snapdragon W5+Gen1 |
メモリ | RAM: 2GB / ROM: 32GB |
対応機種 | Android 8.0以上 (※iOS非対応 |
ディスプレイ | 1.43インチ(466× 466) 326ppi AMOLED(有機EL) + 超低消費電力ディスプレイ(FSTN液晶) |
Bluetooth | 5.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 2.4GHz 802.11b/g/n |
衛星測位 | 5衛星対応 GPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、 Galileo(EU)、BeiDou(中国)、QZSS(日本) |
センサー | 加速度計、ジャイロセンサー、HD PPG心拍センサー、 SpO2センサー、皮膚温度センサー、低遅延オフボディセンサー 気圧計、コンパス |
バッテリー容量 | 628mAh 80時間以上のバッテリーライフ |
耐久性 | MIL-STD-810H / 5ATM |
その他 | スピーカー、マイク搭載 |
サイズ感はGショックと比べるとこんな感じ。Gショックの中でもベーシックなDW5600Eと比べてます
かなり存在感がある部類だと思います。僕も手首はかなり細い方ですが、これ以上大きいとちょっと違和感が出てしまいますね。女性にはちょっと厳しいかも
重さは44.35グラム
Apple Watchシリーズ8の45mmモデルの重さが本体のみで39gなのでやや重いものの、腕につけた時に差は感じないでしょう
ちなみにG-SHOCKは約53g
厚みはアップルウォッチが10.7mmなのに対して12.2mmとやや分厚いことになっています。デザインの違いはあるけど「時計をしている」という存在感は間違いなくTicWatchの方があります
一日中装着しっぱなしで生活していてもそんなに違和感はないですが、寝る時にはちょっと気になる人も出てくるかもしれません
僕は3日目くらいから慣れちゃいましたが、一緒に寝てる子供たちからは当たって痛いと不評でした
最新のWearOS4.3とSnapdragon® W5+Gen1という最新CPUを搭載しています。さらにRAMも2GBとちょっと前のスマホ並みに強い組み合わせ。ヌルヌルさくさく動いてくれるので、この部分に不満を抱くことはまず無いでしょう
5つの衛星に対応していて非常に高精度な位置情報を取得してくれます。MILスペック準拠でタフネスさも兼ね備えているのでトレッキングなどタフなアウトドア用途にもある程度安心して使用できますね
運動系もほぼ完備していて、200種類以上の種目に対応しているらしい。オフロード車とかよくわからんものまであるので、普通の人が普通に運動する分には「この種目がない」なんてことはないでしょう
実際使うのってどうせ5種類程度だと思うんですよね…
その他の項目もハイエンド機種らしくもりもりと強いものが搭載されています。スペックで他のスマートウォッチに劣後することはまずなさそう
1ヶ月使って分かった。TicWatch Pro5のここがGOOD
約1ヶ月に渡って毎日使用してみて分かったTicWatch Pro5の良かったところをご紹介していきます
抜群の電池持ち
TicWatch Pro5を使って一番良かったなと思ったのは実はココ。バッテリーの持ちがかなりいいんですよね。普通に使用していても2日強は使用可能。Apple Watchユーザーならこの利便性をわかってもらえると思います
Apple Watchはほぼ毎日の充電がかかせませんもんね!
WearOSは電池持ちが厳しくなるというのが世間一般的な評価だと思うんですが、その中でこのバッテリーライフはかなり頑張っています
最新のチップセットや600mAhを超える大型のバッテリーを積んでいることも貢献しているんですが、最大の理由は2層式ディスプレイ
普段は電力消費の少ないFSTN液晶という超低電力ディスプレイに必要な情報を表示し、操作が必要なときは高精細な有機EL ディスプレイに切り替わります
FSTN液晶に表示されている情報だけでも、普段必要なものは網羅されています。また手首を傾けると自動でバックライトがオンになり、明るい日中の屋外でも視認性は問題なく、ストレスを感じることなく使用できます
通知関係は文句なし。返信もかなり自由度が高い
各種アプリの通知に関してはこのクラスになると全く問題ありません。LINEや各種SNSの通知についても問題なく受信できます
冒頭部分だけではなく全文の確認ができます。ディスプレイも大型で高精細なので、円型ディスプレイでもしっかりテキストを確認することができます
文字の大きさも調整可能なので僕は1段階小さな文字にして表示される情報量を多くしています
またX(旧Twitter)では画像の表示もできました。動画ファイルを動かすことはできませんでしたが、静止画としては表示されるので、十分すぎるのではないでしょうか
SNSに対しては、リツイートやいいね!を押す以外に返信をテキストで入力することもできました
LINEやメールも定型文だけではなく、キーボードから文字入力して返信やリプをつけることもできましたが、日本語入力ソフトが最適化されていないようで、ひらがなで入力したものを変換することが一切できませんでした
ここは今後のアップデートに期待
音声入力したものは変換されるのですが、正しい文字を選択することはできないので音声変換の一撃の精度に掛けることになります。
変換精度自体は高くて、短文の返信なら誤変換も少なく問題ないんですが、ここはしっかり対応してもらいたいところです。
ただ、総じて通知からのリアクションや返信についてはレベルは高く、快適に使える範疇の話
LINEや電話での音声通話も可能です。時計に直接話すのも地球防衛隊みがあっていいのですが、さすがに恥ずかしい
完全ワイヤレスイヤホンを繋いでおくとイヤホン経由で話すこともできるので、こちらの方がオススメですねやっぱり
GPS搭載、音楽のダウンロードも可能。これ1台でランニングもOK
これは僕が個人的に良かったなと思うポイントで、スマートウォッチ単体で位置情報の即位が可能かつ音楽をスマートウォッチにダウンロードして持ち出すことができます。
これができることによって、屋外でのランニングやウォーキングの際にスマホをおいて出かけることができるんですよね
Apple WatchだとApple MusicとSpotifyだけですが、TicWatch Pro5はSpotify、Amazonmusic、Youtube musicにも対応しています
ただしそれぞれ有料プランへの加入が必要!
Amazonミュージックに関しては、何度がトライしてみましたが上手くログインできず… 公式には対応しているようなので個別のバグなのかアップデートで改善されるのかは不明
最近はスマホが大型化しているので、ランニングの際にポケットに入れても邪魔だし、これだけのためにポーチ持っていくのもイヤだし、そもそもポーチも邪魔だし… という悩みを解決してくれました
Bluetoothで完全ワイヤレスイヤホンと接続することができるので、正確な距離を測定しながら音楽を聴きつつ運動することができます
1万円を超えてくるとGPSをはじめとした衛星情報による位置測位は普通に搭載されていますが、音楽ダウンロードはできるものとできないものがあるので要注意です
音楽保存が可能なモデルでも、各種サービスのオフラインモードが使用できるのか、単純にMP3データをスマートウォッチに保存できるのかで利便性が大きく変わるので、購入の際はその辺りも注意してもらえればいいかなと思います
ちなみに外を走る時は耳を完全に塞いでしまうと、周りの音が聞こえずに結構危ないのでインイヤータイプなど、カナル型以外のイヤホンがおすすめ
僕はSOUNDPEATSの Air3Deluxe HSというイヤホンを使っています。インイヤータイプの中では、低音もしっかりと鳴っていてハイレゾ音質にも対応したモデルでしかも安いので、気なる方は試して見てください
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HSレビュー|世界初ハイレゾ認定のインイヤー型ワイヤレスイヤホン
WearOSに対応。アプリをダウンロードしてカスタマイズ可能
これは当たり前ですけど、WearOS対応機なのでPLAYストアから必要なアプリをダウンロードしてカスタマイズしていくことができます
とりあえずGoogleマップやLINEなどめぼしいものはダウンロードしてみました
Googleマップはターンバイターン表示もできますし、マップを表示することもできます
この辺りの利便性は独自OSを採用しているスマートウォッチにはないものなので、拡張性という意味ではかなり優位なポイントではないでしょうかね
TicWatch Pro5のここがイマイチ
ここまでよかったところを挙げてきたので、ここからはちょっと気になる部分も指摘していきたいと思います。
iOS非対応でiPhoneでは使えない
一番気になる人が多いのはここじゃないでしょうか。やはりiPhoneで使用できないのは痛すぎます。TicWatch Pro5の出来はものすごくいいんですが、僕もメインはiPhoneなのでどうしても使用頻度が下がってしまいます
もちろん、iPhoneにはアップルウォッチという無敵の相棒がいます。値段的にもTicWatchPro5を買える金額を出せば購入することができるので、あえてこちらを選ぶことはないのかもしれませんけどね
iPhoneでどうしても使いたいという方は前モデルの『TicWatch Pro 3 Ultra 』を検討してみてもいいかもしれません。
OSとCPUは一つ前のものですが、ヌルサクとした動作は体験としてはほぼ変わらないレベル。しかも3万円台前半から中盤で購入できるので、お値段的にも魅力的です。
Felicaに未対応
Felicaに未対応ですが、GooglePayには対応しています。タッチ決裁が全く使えないというわけではないですが、まだまだ使える店が限られています。スマートウォッチだけで買い物まで済ませる頻度が高い人にはデメリットかもしれません
特にSuicaなどの交通系決裁やクイックペイ、IDといった決裁機能を使用することができないのが厳しいという人も多いかなと思います
ただSuicaをスマートウォッチに入れてしまうと、通勤時は必ずそのスマートウォッチをつけないといけなくなってしまいます
ほかの時計をつけられなくなってしまうのがちょっともったいないし、ファッションを楽しみたいという点からもSuicaはスマホで使うことにしていますので、個人的には決裁周りは大きなデメリットではないかなと思っています。
値段の割にベルトがややチープ
ベルトの質感の低さはやはり気になります。5万円のアイテムとなると、単純に機能がどうこうという点だけでなく、時計としてどうか?というのも評価基準になってくるか価格帯です
TicWatchPro5のベルトはそういう点からみてもあまり立体感もなくヘナヘナ。質感だけでなく、実際にベルトを装着する際も、芯がなくヘナっていて滑りも良くないので、なかなかベルトループに通りません
また24mmというベルト幅も少しメインのレンジから外れていて、選択肢が狭まってしまっています
おそらく時計本体がそれなりにサイズ感があるので、デザイン的にはそれに合わせてベルト幅の広いものを採用したのだと思いますが、そうであるならもう少し質感のところも頑張ってほしかったですね
付け心地自体は悪いものではありませんので使用するうえでは全く問題ありませんが、デザイン的には残念なポイントでした
さいごに
こんな感じで、今回はMobVoiのフラッグシップモデル『TicWatchPro5』を紹介してみました
最後に気になる部分をいくつかあげましたが、それを補って余りあるくらい時計としてのビルドクオリティも高く、機能性もほぼ全部入りで2層ディスプレイをいうオリジナリティも兼ね備えています
iOS非対応なのがどこまで行っても残念ですが、どうしてもiPhoneで使いたいのであれば全モデルの『TicWatch Pro 3 Ultra』も検討してみてください
CPUとOSのバージョンこそ1世代前のものですが、それでもスマートウォッチとしては十分にヌルサク動きますし、できることはほぼ同じなうえ、3万円台前半で買えてしまいます
正直、TicWatch Pro5とどちらをお勧めするか悩ましいレベルなのでぜひこちらと比較の上、頭を悩ませてください。笑
ここがGOOD
- 2層ディスプレイによる電池持ち
- 質感が高く高級感がある
- 最新CPUとOSで動作がヌルサク
ここが気になる
- iPhoneでは使えない
- 本体に比べて低いベルトの質感
- TicWatch Pro 3 Ultra と比較して進化ポイントがやや弱い