イヤホンってこれで十分じゃなかった?
僕たちが有線イヤホン買ってた頃ってせいぜい2,000円〜3,000円のイヤホンがせいぜいで、10,000円のイヤホン買ってるやつなんて相当とんがってるヤツでしたよね
いつの日からか、2万、3万するイヤホンを高校生でも持っている時代になってしまいましたがよく考えて。それちょっとオーバースペックじゃない?
そんなわけでバグったイヤホンの金銭感覚を取り戻すために、5,000円で買えていい音が鳴るコスパのいいイヤホン「EarFun Free 2S」をご紹介します。
ここがGOOD
- 特徴のある低音
- 値段以上の音質
- ワイヤレス充電対応のケース
- 必要十分なアプリ
ここが気になる
- ノイズキャンセリングなし
- 外音取り込みなし
- やや解像感に欠ける
- 安くていいイヤホンが欲しい
- 余計な機能はいらない
- 完全ワイヤレスイヤホンを初めて買う
この記事の内容
スペックについて
製品名 | EaraFun Free 2S |
防水・防塵規格 | IPX7 |
接続方式 | Bluetooth5.2 |
コーデック | SBC、AAC、aptX |
重量 | 本体 片側約9g / ケース込み約45g |
バッテリーライフ | イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約30時間 |
ドライバー | 7mm複合ダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス充電 |
ノイズキャンセリング | なし |
外音取り込み | なし |
マルチポイント | なし |
専用アプリ | あり |
防水はIPX7という高いレベルに対応していて、汗や雨くらいでは全く問題なく使用を続けることができます。
「水深1mの位置で30分間水没させても浸水しない」とされている防水規格
バッテリーはイヤホン単体で7時間、ケース込みで30時間と十分な性能。ANCがない分、バッテリーのもちはいい。
10分充電すると2時間音楽再生が可能になる急速充電にも対応しています。
充電はUSB-Cに加えてワイヤレス充電にも対応。イヤホンはバッテリー容量もそんなに大きくなくて、充電速度がそんなに早くなくても気にならないのでワイヤレス充電との相性は抜群。
置くだけで充電できるワイヤレス充電のメリットの方をたくさん享受できます。
コーデックはSBC、AAC、aptXに対応。正直この辺りは、イヤホン自体の調整にもよるところがあるので、SBCだからiPhoneで遅延が大きいとかは一概に言えないのであんまりこだわりはありません。
iPhoneで使用してみた感想としては、動画を見ていてもそんなに気になる遅延はありませんでした。格闘技をかなり気にしながら見ていると、ほんの少しパンチの映像と音がズレているかもな… という程度。
でも地上波でももしかしたらそれくらいズレているかもしれないので、やはり気になるほどではありませんでした。
タイミングにシビアなゲームをするなど、フレームレベルで勝負する人は気がつくでしょうけど、それはもはや別の話。
気になる人はゲームモードをオンにすると、遅延と60m/sにとどめてくれます。
これも後述しますが、アプリは必要十分で使いやすいものになっていました。
ノイズキャンセリングや外音取り込み、マルチポイントといった上位機に搭載されている便利機能は軒並み非搭載となっていますが、この辺はエントリーモデルとして割り切って、その分音質に振ってコストを抑えています。
外観・デザイン・付属品
付属品は説明書と充電ケーブル。
あとはイヤーピースが2種類。
浅いタイプで着け心地が着け心地が軽く、深いタイプは耳の奥までフィットします。
着け心地は好き嫌いあると思うけど、音は明らかに深いタイプの方が低音が逃げてないように感じました。2つのイヤーピースで音質と着け心地は結構変わるので試してみる楽しさはあります。
この価格帯でこれだけイヤーピースがついてるのは珍しい
ケースはこんな感じ。高級感は感じませんが価格帯相応で特にチープな感じもありません。
サイズ感も特筆すべきポイントはないですが、スタンダードでクセのないデザイン。
裏面にUSB-Cポート。有線とワイヤレス充電の両方に対応してます。
ワイヤレス充電に対応してくれてるのは結構ありがたい
小さいケースの裏にケーブル刺して充電するのはなんだかんだでちょっと煩わしいのでね。
本体はこんな感じでケースに収まってます。
ちょっと引っ掛かりがなくて落としそうなんで注意が必要かもしれません。
このロゴ部分がタッチセンサーになっています。レスポンスは良好。
イヤホンは片側4.5gと軽量かつコンパクト。
装着してみるとこんな感じです。
耳への収まりもいいですし、軽いので耳が痛くなることもあまりなさそう。カナル型でも違和感少なくつけていられるタイプだと感じました。
音質チェック|低音が豊かで音質も良好
低音は太くて力強い。この辺りは満足感高めではないでしょうか。この辺りは解像感が高いというよりはどちらかというとマイルドな印象。しっかりと楽曲を下支えしてくれます。ややブーストされている感はありますが、やり過ぎているというわけではなく、むしろノリのいい抑揚をつけてくれている感じ。
中音域はクリアで聞き取りやすい。
高音域はちょっとサ行が刺さってくる感じがして少し味付けが薄い気がしますが、この辺りは意図して強弱をつけているのかなと思います。
低音〜中音にかけてのバランスがいいので、何かのジャンルに特化することなくいろんな楽曲を楽しむことができます。このあたりもエントリーモデルとしてはうれしいところ。
5,000円付近でこれが手に入るんであれば十分じゃないかと思います。
細かい楽器の音は埋もれがちで、バキバキに解像感が高いわけではありません。ただ全体のバランスやクリアさは優れていて、聴きやすくて楽しいイヤホンだなと思いました。
マイク性能は刷新されている… はずなんだけど
マイク性能に関しては音声通話用のMEMSマイクを片側2基搭載。デジタルビームフォーミング技術を搭載して、声をよりフォーカスしてピックアップしてくれるようになりました。
またQualcom cVc 8.0にも対応して、音声通話時に周囲のノイズを低減してクリアで聞き取りやすい通話音質を実現する。
…ということでしたが、少し聴き比べてみました。
比べてみたのはSONYのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」とiPhoneのマイクそのままで収録した音声です。
しずかな室内
シェアオフィス内での比較的静かな環境でテストしました。
iPhoneのマイク
SONY WF-1000XM4のマイク
EarFun Free2Sのマイク
大きな道路脇
車通りの多いかなり騒音の多い状態でテストしました。
iPhoneのマイク
WF-1000XM4のマイク
EarFun Free2Sのマイク
マイク性能テストまとめ
静かな室内ではどれもしっかりと声にフォーカスしていて、聞き取りやすい音声になっています。
一方で屋外だと差がはっきりと現れました。
iPhoneのマイクそのままだと、雑音がかなり大きく入ってきます。
WF-1000XM4もそれなりに雑音は入っていますが、声の部分もしっかり拾ってくれて、声質もナチュラルに聞こえます。
EarFun Free 2 Sも思ったよりクリアに聞こえてきますが、話はじめのところがグニャっと歪んだように聞こえます。周囲の騒音がちょっとうるさすぎる状況ではありましたが、声をクリアに変換する時の処理の関係で、話初めの音が飛んでしまっている気がします。
iPhoneのマイク、WF-1000XM4、EarFun Free2Sどれでも室内でのオンライン会議などであれば、十分にクリアな音声を届けることができます。
アプリ「EarFun Audio」はシンプルだけど必要十分
EarFunシリーズの共通アプリ「EarFun Audio」に対応しています。
- イコライザの設定
- タッチ操作の割り当て変更
- ゲームモード切り替え
できること自体はシンプルですが、正直アプリでやることってイコライザの設定とタッチ操作の割り当てができれば十分なんですよね。
トップ画面はバッテリーの残量表示とゲームモード(音の遅延を60ms・0.06秒まで短縮)への切り替え。
イコライザは設定できる音域が6ポイントあります。そこそこ細かい設定ができる方。プリセットも4種類準備されています。
カスタマイズしたイコライザー設定は名前をつけて保存しておくこともできます。
タッチ操作の割り当てもカスタマイズできます。一部制限はありますが、ほとんどの機能を割り当てることができます。イヤホンを複数持っていると、ある程度操作方法は統一しておくと迷わず操作できるので、カスタマイズの幅が広いのはありがたい。
ノイズキャンセリング・外音取り込み無しは気になる?
このイヤホンの気になるところとして、ノイズキャンセリングと外音取り込みがないというポイントが挙げれられますが、正直無いなら無いでいいかなと思う部分でもあります。
ノイズキャンセリングなしは正直どっちでも…
耳にしっかりフィットするカナル型イヤホンなので、正直なところノイズキャンセリングはなくても音楽が鳴っていればそれほど周囲の音は気になりません。
電車の中でも普通に音楽は聞こえますし、アナウンスや電車の走行音が気になることはありませんでした。
もちろん、ノイズキャンセリングが作ってくれる無音空間は、音楽への没入感という意味ではあるに越したことはないですが、カナル型イヤホンであれば搭載されていなくても体験としてはそんなに変わりません。
外音取り込みは正直ちょっとほしい…
僕はずっと外音取り込みとノイズキャンセリングなら、後者の方が必要かなと思っていましたが、あらためてどちらも搭載してないEarFun Free2Sを使用してみると、外音取り込みがない方がちょっと不便に感じました。
個人的にはちょっとした発見でした
特にコンビニなんかで店員さんと話す時に、外音取り込みに切り替えられないがちょっとしたストレスでした。もちろん外せばいいんですけど、小さいイヤホンをつけたり外したりって作業はちょっと煩わしいんですよね。
せっかくIPX7という高レベルの防水機能も搭載しているので、ランニングなんかでも使いたいんですが、外を走る時も外音取り込みがあった方が安心して走れます。
この辺も音量を下げたりすればいいので、なければ無いでなんとかなるんですけどね。
EarFunの他シリーズと比較
製品名 | EaraFun Free 2S | EarFun Air S | EarFun Air Pro 2 | EarFun Free Pro 2 | EarFun Free Mini |
防水・防塵規格 | IPX7 | IPX5 | IPX5 | IPX5 | IPX7 |
接続方式 | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.0 |
コーデック | SBC、AAC、aptX | SBC、AAC、aptX | SBC、AAC | SBC、AAC | SBC、AAC |
重量 | 本体 片側約4.5g ケース込み約45g | 本体 片側約5g ケース込み 約53g | 本体 片側約5.5g ケース込み約54g | 本体 片側約4.5g ケース込み約38g | 本体 片側約4g ケース込み約38g |
バッテリーライフ | イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約30時間 | イヤホン:6時間(ANC5時間) ケース込み:30時間(ANC24時間) | イヤホン:7時間(ANC6時間) ケース込み:34時間(ANC27時間) | イヤホン:4時間(ANC5時間) ケース込み:30時間 | イヤホン:5時間 ケース込み:24時間 |
ドライバー | 7mm複合ダイナミックドライバー | 10mmウール複合ドライバー | 10mmチタン複合ドライバー | 6mm 複合振動板 | 6mmチタンコート振動ドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C |
ノイズキャンセリング | なし | あり | あり | あり | なし |
外音取り込み | なし | あり | あり | あり | なし |
マルチポイント | なし | あり | なし | なし | なし |
専用アプリ | あり | あり | なし | なし | なし |
価格 | 5,990円 | 6,990円 | 7,990円 | 7,990円 | 3,799円 |
基本的にEarFunのイヤホンについてはコスパがバグっていますので、常になにかしらのクーポンが適用されていて、ここに記載した金額から概ね1,000円〜2,000円くらいは安くなっています。
そんな中で音質も良くてマルチポイントにも対応、ANCも外音取り込みも兼ね備えているアタマおかしいコスパを誇るのが「EarFun Air S」。この金額でマルチポイントにまで対応しているのは見たことない。
Free Pro 2とAir Pro 2は実売価格5,000円〜6,000円でANCと外音取り込みを備えています。うどん型かノーマルなイヤホン型かで選ぶ感じでしょうか。
ANCや外音取り込みがいらないシンプルなイヤホンがほしくて、とにかく安く…ということなら「EarFun Free Mini」。IPX7に対応した軽量モデルです。
「EarFun Free Mini」を進化させて、ワイヤレス充電にも対応したのが「EarFun Free 2S」。専用アプリにも対応して使いやすさがアップしています。
さいごに
こんな感じでコスパの高いシンプルな機能のEarFun Free 2Sを紹介してみました。
ANCや外音取り込みといった機能は省略されていますが、その分コストを抑えつつ、高音質なイヤホンに仕上がっています。元気のいい低音やクリアな中音域に特徴があるクセのない聴きやすい音質です。
5,000円以下の価格帯のエントリーモデルとしては十分すぎるくらいいい音と言えます。
イヤホンに1万円は出せない。機能はシンプルでいいからコスパの高いものが欲しいという人にはうってつけのイヤホンです。是非試してみてください。
ここがGOOD
- 特徴のある低音
- 値段以上の音質
- ワイヤレス充電対応のケース
- 必要十分なアプリ
ここが気になる
- ノイズキャンセリングなし
- 外音取り込みなし
- やや解像感に欠ける